ハイモジモジ松岡

ハイモジモジの松岡です。

私たちは「Kneepon from Nippon(ニーポン・フロム・ニッポン)」というミッションを掲げて活動しています。思わず膝(knee)をポン(pon)と打つアイデアに裏打ちされたプロダクトを発信することを一番大切にしています。

ただ、創業9年目の会社にしては、これまで発表してきたアイテム数はお世辞にも多いとは言えません。というのも、自分たちの設定しているハードルが高いことが原因です。

そのハードルとは、ミッションに掲げた「ニーポン」が実現できているか、本当に膝を打つようなアイデア足り得ているかというもの。何度も何度も自問自答して、最終的に「そうでもないな」という結論に至ったら「発売しない」という方針を貫いているのです。

ですので、晴れて発売にまでこぎつけたプロダクトの向こう側には、山のようなボツネタが積み上がっています。いえ、ボツと言ってしまっては彼らに失礼でしょう。いずれ陽の目を浴びるかもしれない可能性を秘めた「PRODCUT」ならぬ「PRE-DUCT」が、今か今かと世に放たれる順番を待ち構えている状態です。

そこで今日から不定期更新で、ハイモジモジがこれまで温めに温めてきた、しかし近日中にリリースされる可能性は今のところ低そうなプロダクトのアイデアをお蔵出ししていこうと思います。これを機に、一度は止まった歩みを進める革新的なアイデアがひらめくことを期待して。


PRE-DUCT 001 識別ディスク


私たちハイモジモジのモノづくりは生活の延長線上にあります。日々を過ごす上で、あるいはお仕事をする中で「不便だな」と感じたことを解決したり、こういうモノがあったら自分たちが嬉しいな、助かるな、というものを作りつづけてきました。

今回ご紹介する「識別ディスク」も、そうした姿勢の中でひらめいたアイデアのひとつ。




これは「CD」と「DVD」と「BD」を識別しやすくなるよう、ディスクの中央に文字をレイアウトしたもの。

「CD」と「DVD」と「BD」は、規格も違えばデータを保存できる容量もまったく異なるものですが、しかし形状はまったく同じ円盤というややこしい状況。なので個人的にも、よく間違えていたんですね。

もちろん盤面には「CD-R」とか「DVD-RW」とか「BD-R」と書かれていて、それさえ読めば間違うことはないのですが、なにせ円盤のフチのほうに虫メガネを当てないと読めないような小さな小さな文字で書かれていることがほとんどで、ずっと「不親切だなあ」と感じていました。

そこで、パッと一目でそれらを識別できるデザインがあらかじめプリントされていたら、ディスクを取り違えるミスが減るのではと考えたのです。

(最近はデータ保存といえばハードディスクやクラウドが主流ですけどね。このアイデアを思いついた2010年頃はまだまだディスクがメインでしたので、そのあたりを差し引いてお読みください)

さて、このアイデアを思いついたとき、僕は「これはいかん、大金持ちになってしまう」と考えました。このアイデアの権利を取得し、家電メーカー各社がディスクを1枚販売するごとに特許料をいただいたら、使いきれないほどのお金が転がり込んできてしまうと思ったのです。

そこで友人のツテをたどり、知的財産権を扱う弁護士事務所にお邪魔して、権利取得のお手伝いを申し出ました。それも「どやー!」「ええもん考えたどー!」と勢いよくドアを開けて。

しかし、ことはそう上手くいくものではありません。話をしてみると「特許や意匠権を取得するのは難しいのでは」とのことでした。

本当にそうでしょうか。これほど画期的なアイデアもないのでは。家電メーカー各社は、喉から手が出るほどほしい(=使わせてもらいたい)アイデアなのでは。

浮かれた心に釘を刺されて、かえって虚勢を張るように自信を深めた僕でしたが、しかしその後、鋭い指摘を受けまして。ぐうの音も出なくなってしまいました。

それは「そもそも識別しにくい」というものでした。

そう、「CD」と「DVD」と「BD」は同じ円盤だから識別しにくいという着眼点だったのに、中央に配置された文字がデザイン性を優先するあまり読みにくく、弁護士さんに言わせれば「相矛盾している」と。




「CD」はまあ、いいでしょう。ほぼその通り読めます。でも「BD」はどうでしょう。「B」が反転していて、ちょっと苦しいです。「DVD」については同じ「D」が鏡のように向かい合わせになっているほか、そもそも「V」の文字も見当たりません。

「CD」→「DVD」→「BD」とデータの容量が増えるにつれて、図が複雑化する(直線が増える)という意図もあったのですが、それにしたって分かりにくい。むしろ盤面に「CD」「DVD」「BD」と大きくプリントしてあるほうがよっぽど実用的です。

これは正直「痛いところを突かれたな」と思いました。

着眼点は悪くなかったかもしれません。実際、自分自身が「ディスクを識別できない」という不便さを感じていたわけですし。ただ、その不便を根本的に解消できているかといえば、やっぱりノーです。このままでは「アイデアとしては弱い」と言わざるを得ませんでした。

権利の取得はともかく、自分たちが家電メーカーで「こういうデザインのディスクを発売します」ということであれば「ご自由にどうぞ」かもしれませんが、このアイデアの権利を抑えて家電メーカーに売りつける、あわよくば業界団体に「標準」として採用されるよう提案するというのは、ちょっと夢物語で、現実的ではありませんでした。

さて、この着想を完全なものにするアイデアが生まれるか、あるいはディスクの存在自体が廃れてしまうか、どちらが早いでしょうか。それにしても惜しいなあ、このデザインひとつで億万長者になれるかもしれなかったのになあ。

そんな思いを抱えつつ、ハイモジモジは今日も明日も「自分たちの不便を解消するアイデア」について考えを巡らせています。他にもまだまだボツネタ、違った、PRE-DUCTが山ほどありますので、少しずつ紹介していきますね。




2018.11.1 by Atsushi Matsuoka



PRE-DUCT

いつか商品化するかもしれないけれど、その可能性は今のところ低め。そんなPRODUCTになる前のアイデア「PRE-DUCT」を発表していくシリーズです。



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