僕たちはこれからどう食っていくか会議

「idontknow.tokyo」「ALL YOURS」「HI MOJIMOJI」によるトークイベントまとめ、とうとう最終回です。

今回はトークイベントの会場で客席から寄せられた質問に答えていきます。

素朴な疑問にそれぞれが答えましたが、つまり「自分たちはどう生きるか」が問われていたのかもしれません。


【第1回】僕たちに何が起こったのか
【第2回】僕たちに共通していたこと
【第3回】僕たちはどう売っていくか
【第4回】僕たちはどう食っていくか
【第5回】僕たちが大切にしてること

登壇者のプロフィールはこちら

【5】僕たちが大切にしてること

木村 木村:さて、ここからは客席からの「質問コーナー」です。まずはこちら。「自分が本当にやりたいことに、どうやって気がつきましたか?」

トークイベント

青木 青木:消去法でやりたくないことから逃げてきたら「これしかできなかった」ですね。やりたくないことって、いっぱいあるじゃないですか。朝起きるのが面倒くさいとか、そういうレベルじゃなくて、仕事をする中で「どうしても無理だ」って思うことがあって。

治田 治田:僕もそうで、組織で働けない人間なんです。学校みたいな場所でずっとこのまま一生過ごしていくのかと思うと、もう。だから「一人で生きていくにはどうしよう」って逆算して考えてきました。

田久保 田久保:僕ははじめ広告制作会社にいて、たとえば「新商品のパッケージがイケてないのでリニューアルしましょう」みたいな、デザインの消費スピードが早いことに疑問を感じてました。それに「かっこいい」「オシャレ」「きれい」みたいなデザインをできる人は世界中にいるから、もっと「自分にしかできないこと」や「やるべきこと」を探すようになりましたね。たとえば政府公式文書を読みやすい文字の配列にしてみたりとか。

角田 角田:僕は好き嫌いがなくて、何でもやりたい方なんです。デザインもやりたいし、音楽も作りたいし、販売もやりたくなっちゃった。でも会社に所属していたら、デザイナーはデザインしかできないんですよね。だから「色々やれる環境」を自分で作るためにはどうしたらいいかと考えてきました。一回きりしかない人生だからね。

松岡 松岡:僕はもともとフリーライターで、あらゆるジャンルの広告記事を書いてたんです。あるとき、すごく手応えのある文章が書けたんですけど、提出後に修正されたことがあって。なぜかというと、その製品の仕様が突然変わったんです。でもこちらに情報提供している時間がないから、メーカー側で書き直されちゃった。もう、よそ様の都合に振り回されるんじゃなくて「自分のやりたいことをしたいな」と思いましたね。

木村 木村:僕も会社勤めをしていたときに同じような考えをもっていたんですけど、とにかく会議が多くていろんな人の意見が入る。動機に対しての純粋性はどんどん濁っていくわけで、表に出たときに全然別物になっちゃってたりする。だから小規模でやってる人たちは「本当にこれがいい」と思った動機に純粋であることが大事だと思います。大手のメーカーさんはプロセス上、そういうモノは作れないので。

トークイベント

木村 木村:こんな質問も。「モノを作る上で大切にしていることって何ですか?」

松岡 松岡:「自分が欲しいかどうか」は絶対必要ですよね。こういう人が欲しいであろうという「仮想客」はいなくて、自分がお客さんであることがまず大事だと思います。その延長線上に「同じように欲しいと思っている人がいるはずだ」と信じる。

木村 木村:自分たちで発信するなら、本当に自分が欲しいものじゃないと心からオススメできないじゃないですか。少しでも心に引っかかるところがあると押し売りすることになる。売れる、売れないの前に「自分がそれを欲しいかどうか」。

角田 角田「HINGE」で言うと、僕ら自身が試作の段階からヘビーユーザーだったんですよ。はじめはダンボールで試作したんですけど「すごくいいじゃん!」って。それ以来、僕ら自身がファンというか、手放せない状態になってます。

HINGE

木村 木村:作り手ですけど、同時にユーザーなんですよね。自分自身が使い手で、深く理解しないと売るのが難しい。関連して、こんな質問も。「売れるものは考えない方がいいのでしょうか?」

青木 青木:「売れるもの」を考えるのは本質的に無理なんです。未来予測なので。無理なことを考えても仕方ないから、細分化して、できることからやろうとしてます。

木村 木村「WORKERS’BOX」を知り合いがみんな買ってくれた、ってエピソードがあったじゃないですか。「自分が欲しい」に加えて「欲しいと言ってくれる人」をいかに作るのかも大事で。僕は欲しい人をどう増やすかって考えますね。

角田 角田:なるほど!

木村 木村:でもそれって、そもそも製品が良くないといけなくて、「どう共感してもらえるか」だと思うんですよね。製品のスペックがどうで、何ミリの何を使っていて、こういう素材でって話よりも「こういうものが欲しいから作ったんです」というストーリー、文脈がちゃんとある製品が今は強いと思います。

治田 治田:僕はずっとクライアントワークをやってきて、手がけた製品を家に置いておくと、毎日見ることになるわけです。そのときに少しでも納得いかないところがあると後悔するんですね。だから「それを毎日見られるかどうか」を大事にしてますね。

青木 青木:なぜよくないものが生まれるかというと、裏で政治的なやり取りがあったんですよね。純粋な動機とは異なる圧力が働いちゃう。

治田 治田:自分がそうしたかったわけじゃないけど、違う理由で呑まざるを得なくって、でもやっぱり納得はしてない状態。

青木 青木:そういうことを繰り返していくと、自分が手がけてないものに対しても「動機に純粋かどうか」が一瞬で読めるようになっちゃうんですよね。「ここの部分に政治的に何かがあったよね」って。

角田 角田:最近のクルマとかね。

青木 青木:「自分も経験したあのときのアレ、この人にもあったんだろうな」って部分を感じると見ていられなくなっちゃう。裏で何人か泣いてそうだな、って。

角田 角田:モノづくりの工程において、邪念がいろいろ入ってきちゃって、最終的に誰も欲しくないものが量産されちゃって、でもみんな使わざるを得ない、みたいなね。

木村 木村:誰かのために、たった一人のために作ったものって、強い文脈があるんですよね。固有名詞が出るくらいまで落とし込んだ「誰か」のために作ったものが今の時代にとっての「いい物」なんじゃないでしょうか。

青木 青木:以前、角田さんが「自分が欲しい物を作るというのは世界を作れる」って言ってたんです。

角田 角田:たとえば何かモノを作るとする。自分は全然好きじゃないんだけど、誰かは買うんだろうな、っていうモノづくりがこれまでなされてきた。そういう「誰かが欲しいであろうもの」が増えて、世の中に無駄が多いんだよね。

青木 青木:「10代都市在住の女性」をターゲットにしたりしてね。

トークイベント

▲右は会議の書記を務めたエクレア大好きクレアさん

角田 角田:そうそう。でもそうじゃなくて「それを分かってくれる仲間」が手に入れたら幸せだ、というモノを作っていくことが無駄を減らすはずだし、思い入れの強いものが広がっていくから、結果的に世界を救うと僕は思ってます。

青木 青木:「アメリカファースト」なんかも、ある側面から見ると分からなくはないんです。手元を全力でやると案外そこら中の人に得する結果が生まれがちで。

角田 角田:「HINGE」もね、世の中に出してみたら「なんで今までなかったんだろう」って喜ばれたくらいで。

木村 木村「作るモノやプロジェクトに対して、ストーリー性をあえて強調することはありますか」という質問もきてますが、どうでしょう?

角田 角田:強調はしないね。

青木 青木:そんなことしなくてもストーリーはあるからね、そこら中に。

角田 角田:人が生きていればあるわけだし。モノを作れば「その人が作ったモノ」って事実だけでストーリーはあるわけじゃないですか。そもそも「自分が欲しいモノ」を作ってるから、絶対に物語はあるんですよ。

木村 木村:どっちかっていうと「動機が面白い」とか「動機に共感できるか」の方が大事ですよね。

青木 青木:思えば「HINGE」も「WORKERS’BOX」もそうですが、ユーザーに共感させられるなんて思ってなかったというのがスタート地点でしたね。

WORKERS’BOX

木村 木村:無理に共感させようとすると話は変わってきますね。

青木 青木:下手するとこれから意図的にユーザーに共感させようとして、失敗することが待ってます。

角田 角田:調子に乗って(笑)

松岡 松岡:うちもTwitterでバズったことに味をしめて、同じような4コマ漫画を何度かツイートしましたけど、全部スベッてますからね。16,000リツイートのあとは3リツイートくらい(笑)

青木 青木:狙ったらスベるんですね(笑)

角田 角田:ただアイドントノウもハイモジモジも、バズったときにちゃんとウェブを作り込んであった。そのページに来て、読んでくれたから「面白い」って思ってももらえたのであって。Twitterにバンバン投稿すればなんとかなる、ってことでもない。

木村 木村:短い言葉で簡潔に伝えるという意味では、Twitterは適してますけどね。

青木 青木:バズを経験して良かったのは、意外と「悪い人って少ないな」って思えたこと。ネットの世界って、すぐにクレームを言うとか、よくないイメージがあったんですけど、全然そんなことない世界が広がってた。

松岡 松岡:うん。

青木 青木:もうバズは狙わないけど「いい人はいっぱいいそうだ」ってことが分かって良かったです。

(終わります)

集合写真

スマイルズ

会場協力:株式会社スマイルズ

プロダクト紹介その5

by Atsushi Matsuoka

WORKERS'BOXを5冊まとめる【STAND】

WORKERS'BOXを5冊まとめる【STAND】


5回続けてお送りしてきましたプロダクト紹介も今回が最終回。最後くらいは自社の宣伝をさせてもらっていいでしょうか。これ、なんと「WORKERS'BOX」が5冊まとめて収納できるスタンドなんです。

うちのように「WORKERS'BOX」を何十冊も並べていると、ある程度グループができるってことに気がついたんですね。たとえば「A社の案件」とか「経理関係」とか「プライベートの書類」だとか。それらを5冊ぐらいずつにまとめちゃって、大見出しをつけてあげれば、ボックスを探すときに便利なんですよね。

WORKERS'BOXを5冊まとめる【STAND】 しかもタテとヨコ、棚の高さに合わせて置く向きを変えられる「WORKERS'BOX」と同じく、このスタンドも2WAYで置ける方式なんです。

内側も本体と同じブラックで、ますます書類をオシャレに収納できてしまいます。サイズはもちろん「WORKERS'BOX」にぴったり合わせてありますが、雑誌を入れるマガジンスタンドにもなりますり、他社さんのファイルやノートももちろん入ります。A4サイズより少し大きめなので、大体なんでも入ります。

WORKERS'BOXを5冊まとめる【STAND】 個人的にスタンドがずっと欲しかったので、ようやく完成してほっとしてます。みなさんにも早くお届けしたいです。近日中に発売日や価格の詳細を発表しますね。お楽しみに!

【2081.5.18 追記】
専用スタンド「WORKERS'BOX STAND」が発売になりました!

WORKERS'BO STAND

【WORKERS'BOX STAND】の詳細はこちらから

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WORKERS'BOX公式サイト

WORKERS'BOX公式サイト

ブランドサイトをオープンしました。「WORKERS'BOX」に関するすべての情報がここに集約されています。ご購入もこちらからどうぞ。
【徹底討論】なぜモノは片づかないのか

【徹底討論】なぜモノは片づかないのか

モノって、なぜ散らかるんでしょうね。デスクが片づくファイルボックス「WORKERS'BOX」が生み出された背景を語り合いました。全6回の連載です。
ハイモジモジ公式note

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noteを開設しました。新商品ができ上がっていく過程をお伝えしていきます。

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