ハイモジモジ松岡

こんにちは、ハイモジモジの松岡です。

2016年度グッドデザイン賞を受賞した耐水メモ「TAGGED MEMO PAD」シリーズがどのようにして製造されているか、ご存知ですか?



「TAGGED MEMO PAD」シリーズは、クリーニングにまつわる総合企業である株式会社共生社さんと共同開発された製品です。

同社はクリーニング・タグの製造・加工を主力に、クリーニング店で利用されるPOSレジ、24時間無人受付のクリーニング専用ロッカーなど業界で重宝されるさまざまな商品、サービスを提供されています。

そんな同社とのコラボレーションで生まれたのが本製品。クリーニングにまつわるノウハウ、タグを製造している現場ならではの設備をハイモジモジのデザイン力と組み合わせ、まったく別のプロダクトを生み出そうというのがそもそもの発端なんですね。




たとえば日本酒の醸造メーカーがまったく異分野の化粧品を手がけるといった例がありますが、お酒と化粧品、表面的には無関係に思える事業でも、実はそれまで培われた技術と経験が転用されているという背景があります。共生社さんと取り組んでいる「TAGGED」プロジェクトも同じで、クリーニング・タグが文房具に生まれ変わるという、ちょっと面白い展開になっているんです。

それでは一体、どのようなプロセスで製品化されているのでしょうか。兵庫県は尼崎市にある共生社さんの工場を、さっそく見学してきました。








まずはこちら、「TAGGED MEMO PAD」にも使われている、膨大な「耐洗紙」の山が目に飛び込んできました。これはクリーニング店でシャツを洗う「前」に取りつけて、シャツと一緒に洗える丈夫さが求められるクリーニング・タグのために開発された、きわめて強い耐水性のある特殊紙です。

紙の抄造(しょうぞう)自体は国内の製紙メーカーさんが行っているのですが、共生社さんの工場ではこの耐洗紙を用いたクリーニング・タグが日々生み出されています。クリーニング・タグを製造している企業は国内に4社しかないのですが、同社はそのうちの一社です。






通常、クリーニング・タグには地域の名前や番号が印刷されています。クリーニング店はカウンターの向こうで洗濯しているお店と、各店で預かった服を離れた場所にあるセンターでまとめて洗うチェーン系のお店があるのですが、とくに後者だと「どの店で預かった服なのか」を識別する必要があるわけですね。




上記のような、私たちが目にする一般的なクリーニング・タグはもちろん、こちらの工場では独自に開発されたタグも製造されています。

最近では大手クリーニングチェーンでも採用され、特許申請中の「角丸タッグ」。これは角が丸まっていることで、シャツのボタンの穴にスッと通すことができ、クリーニング店で働くみなさんのストレスを減らして作業の迅速化が図られています。また、角がないおかげでシャツ等の生地を痛めないというメリットもあります。本当にちょっとした工夫ですが、角が丸いか丸くないかで、現場では大きな違いを生んでいるんですね。




他には、紙に切り込みを入れ、紙だけで完結して留めることのできる「スマートエコタッグ」もそのひとつ。

ホッチキスでパチンと留める必要がないため、タグをとりつけるたびにホッチキスを持ちかえる手間を省くとともに、そもそもホッチキスの針がないので針を燃えるゴミとして誤って捨ててしまうことも、ゴミ捨て時に分別する煩わしさもありません。コクヨ社のハリナックスをはじめとする「針なしホッチキス」と目指すところは同じですね。だから名前も、「エコ」タッグ。



このスマートエコタッグの構造は、「TAGGED MEMO PAD」の姉妹品である、同じく耐洗紙から生まれた「TAGGED GIFT TIE」にも応用されています。

紙の切り込みだけでお花にくくりつけられるため、カンタンかつ不要なゴミを出しません。クリーニング用品の技術がラッピング用品やガーデニング用品に転用された、これまた面白い事例でしょう?




さて、それではクリーニング・タグを実際に印刷している機械を覗いてみましょう。









印刷業界では「オフセット印刷」が一般的ですが、これらは「樹脂インキ」を用いてタグに印刷するための特別なマシン。

樹脂インキを採用している大きな理由は、水洗いしてもインキが色落ちしないことです。仮に色落ちするインキを使用していたら、お客さんから預かった服にインキが付着してしまい、クレームの元になってしまいます。そうしたことがないように、インキの性質にも配慮されているんですね。


(インキの詳細は企業秘密とのこと)


「TAGGED MEMO PAD」の表紙や中紙も同じ機械で、同じ樹脂インキで印刷されてます。ですので、もしも「TAGGED MEMO PAD」が大雨に打たれても、お台所のシンクに水没しても、ジーンズのポケットに入れたままうっかり洗濯機で回してしまっても、インキが色落ちしないのです。水に濡れても服に色移りする心配のないメモ帳なんて、きっと世界中を見渡してもどこにもありませんよね。

そんな「TAGGED MEMO PAD」の表紙が刷り上がっていくプロセスを、一気にどうぞ。









そして最後に拝見したのが、「TAGGED MEMO PAD」をひとつずつシュリンクパックする機械。製品のかたちにあわせて密封する包装のことをシュリンクパックというのですが、それ専用の機械も完備されているんですね。

まるでところてんを押し出すような流れでパッキングされるのですが、その不思議な様子を眺めているだけで、あっという間に一日が過ぎてしまいそうです。



共生社さんの工場見学、いかがだったでしょうか? 最後に、機械が稼働しているシーンだけをつないだ動画を用意しましたので、お酒のグラスを片手に眺めてみてください。ついつい最後まで見てしまいますよ。





2016.9.30 by Atsushi Matsuoka




TAGGED MEMO PAD

TAGGED MEMO PADはこちら

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