ハイモジモジ松岡

こんにちは、ハイモジモジの松岡です。

今回は98%くらいの人は誤解していると思われる話をしたいと思います。自分自身、かつては誤解していた側の人間なのですが、事実を知ってからというもの、人に話すとまず間違いなく「えーっ!」「知らなかった!」「確かに言われてみれば!」と驚いてくれるのが嬉しくてたまりません。

何の話かというと、クリーニング・タグです。

みなさんがクリーニング屋さんに預けたシャツやコートを引き取りにいくと、必ず紙のタグがついていますよね。ブランドタグやボタンの穴に通して、ホッチキスでパチンと留めてある細長い紙のことです。


このタグ、いつ付けているかご存知ですか? 「そんなこと考えたこともない」という方がほとんどでしょう。で、とっさに訊かれると「洗った後じゃないの?」とおっしゃる。

違うのです。逆なのです。服を洗った「後」ではなく、洗う「前」なのです。

考えてもみてください。そもそもクリーニング・タグは「どの服が誰のものか」を識別するためのもので、いろんな人の服をまとめて一緒に洗ったあとでは、誰のものだか分からなくなるでしょう。

お客さんから大事なシャツやセーターなんかを預かって、その場でタグを取りつけて、そのままタグと一緒に「ぐるんぐるん」と洗っているんです。





かなり昔の話になりますが、この紙製のタグがなかったころのクリーニング屋さんがどうしていたかというと、お客さんの名前を書いた布を縫いつけたり、名前をカタカナで刺繍したり、場合によってはブランドタグにマジックで名前を書き込んでいたようです(もしかしたら今もそういうお店が残っているのかも)。

でもいちいち布を縫いつけたり刺繍をしていてはスタッフの手間が増えて非効率ですし、何よりお客さんの服に針を入れることになってしまいます。マジックなんかで名前を書かれてしまった日には服の価値が半減してしまいますし、やっぱり何かと問題があったんですよね。

そこでもっと簡単に「どの服が誰のものか」を識別できる方法はないか、ということで開発されたのが、私たちが日ごろ目にしている紙製のクリーニング・タグというわけ。




しかし紙のタグを付けた状態で洗っているのだとしたら、なぜその紙が破れないのでしょう。なぜぐちゃぐちゃの、でろでろの、ふにゃんふにゃんになっていないのでしょう。

理由は簡単。そうならないよう、丈夫な専用の紙が開発されたのです。その名もズバリ「耐洗紙」。洗うことに耐えられる紙、と書いて耐洗紙です。名前だけでも覚えて帰ってください。



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> 耐 洗 紙 <
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耐水性をもつ紙は他にもあります。たとえば屋外広告のポスターなんかは雨に濡れてもやぶれにくい耐水紙が使われています。他にも文房具屋さんに行けば「耐水」と書かれたメモ帳がひとつやふたつ置いてあるかと思いますが、それらも同じです。

こうした耐水紙は、耐水性を加味するために紙の表面を別の素材でコーティングしています(だからペンを走らせるとつるつる滑る)。あるいはパルプではない、水をはじく性質の素材で作られていることがほとんどです。ただ、コーティングするにしろ、パルプ以外で作るにしろ、原価が余分にかかってしまうようで、紙としては高価なものになりがちです。

一方、クリーニング・タグは「服の持ち主を識別」できればそれでよく、タグ一枚にそこまでコストをかけられません。原価はできるだけ安く、それでいて水で洗っても、洗濯機で回しても、シャツ同士が絡み合ってタグが引っ張られたりしてもやぶれないくらい「タフ」な紙はないか。そういう無茶ぶり的な要望から生まれたのが耐洗紙なんですね。


【関連】クリーニング・タグを製造している工場を見学してきました >>


耐洗紙を知る上でひとつポイントになるのは、あくまでも「水を弾くわけではない」ということ。水を弾かず、一旦は受け止めます。だから紙自体はふやけます。

でも、それにしてはあのクリーニング・タグ、「シャツと一緒に洗った後の紙」だなんて思えなくないですか。一度は水に濡れて洗濯機でぐるんぐるんに回されて帰ってきたなんて、そんなロング・ジャーニーを経た後だなんて思えなくないですか。

通常、水に濡れると繊維と繊維のつながりが弱くなり、その結果として「やぶれる」わけですが、耐洗紙は表面をコーティングしておらず、紙を抄造(しょうぞう)する段階で繊維同士の結びつきを特別に強くして作られています。言うなれば、どんなにひどい目に遭っても手を離さない「ふたりの絆」みたいなものが耐洗紙を形作っているわけですね。

実際に水に濡らした状態で、強い力で引っぱってみた検証動画もあります。




面白いのは、紙も「繊維」でできている点ではシャツと同じで、シャツのように「アイロンがけ」ができること。水に濡らして、乾かして、それでもシワが気になるようなら、シャツのようにアイロンで伸ばしてあげるといいんです。

ただしそれが可能なのは、水に濡れてもやぶれにくい紙であることが前提ではありますが。



さて、そんな耐洗紙ですが、実はこれまでクリーニング業界で、クリーニング・タグのためだけに使われてきました。それ用に開発された紙ですから当然といえば当然ですが、これほどスペックの高い特徴的な紙をひとつの用途で使うだけではもったいない。

そこに目をつけたハイモジモジが、耐洗紙の特長を活かして開発したのが、耐水メモ「TAGGED MEMO PAD」シリーズです。


繰り返しになりますが、やはり紙が丈夫です。キッチンなどでも水濡れを気にせず使えますし、あえて水に濡らして乾かすと「味」になります。とにかくラフに扱えるメモなんですね。中央がくびれていて、片手で握ったときにフィットしやすい形状ですので、持ち運びにも便利です。




【まとめ】

・クリーニング・タグは洗う「前」につけている

・タグは水に濡れてもやぶれにくい耐洗紙でできている

・耐洗紙の特長を活かしたメモ帳がある



今すぐ誰かに「クリーニング・タグっていつ付けてるか知ってる?」と訊いてみてください。みなさん口を揃えて「洗った後じゃないの?」とおっしゃいますよ。でもごくまれに「そうそう知ってるー」と軽く微笑む人が2%くらいいますので、ご注意を。



2016.10.12 by Atsushi Matsuoka




TAGGED MEMO PAD

罫線の耐水メモ
「TAGGED MEMO PAD」はこちら



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カラビナ用の穴がある耐水メモ
「TAGGED LIFE GEAR」はこちら



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